タレントマネジメント・タレマネシステムまとめ

   

「タレントマネジメント」が必要

会社は多くの社員の集合体といえます。多様なバックグラウンドや個性を持った人材が集まった集団です。人数が多くなるとどこにだれがいてどんなことができるかをすべて把握することは極めて難しくなります。せっかく優秀な人材(タレント)が車内にいても、その人材が埋もれてしまい、人材リソースを活用できないことがままあります。こうした宝の持ち腐れ状態から脱却し、自社の優秀な人材を把握し、そのパフォーマンスを最大化するために戦略的な人材配置や教育などの取り組みを行う、「タレントマネジメント」が重要です。

「タレントマネジメント」の定義

「タレントマネジメント」は意味する範囲が広く、その言葉を使う人によって定義が大きく変わっているのが実状です。ここでは、人材マネジメントで有名な二つの組織(全米人材マネジメント協会、米国人材開発機構)の定義を確認してみます。定義を確認してみるとわかりますが、人材マネジメントのフロー(採用・育成・配置・評価・処遇)全般を検討範囲としており、取り組むテーマも多岐にわたるため、その実施はとても大掛かりなものとなります。

【全米人材マネジメント協会(SHRM)の定義(2006年発表)】
人材の採用、選抜、適材適所、リーダーの育成・開発、評価、報酬、後継者養成等の人材マネジメントのプロセス改善を通して、職場の生産性を改善し、必要なスキルを持つ人材の意欲を増進させ、現在と将来のビジネスニーズの違いを見極め、優秀人材の維持、能力開発を統合的、戦略的に進める取り組みやシステムデザインを導入すること
【米国人材開発機構(ASTD)の定義(2009年発表)】
仕事の目標達成に必要な人材の採用、人材開発、適材適所を実現し、仕事をスムーズに進めるため、職場風土(Culture)、仕事に対する真剣な取り組み(Engagement)、能力開発(Capability)、人材補強/支援部隊の強化(Capacity)の4つの視点から、実現しようとする短期的/長期的、ホリスティックな取り組み(多層的なものを有機的に統合する取り組み)である

タレントマネジメント推進の課題

タレントマネジメントを進めていくためには、社内一人一人の所属やスキル、直近のステータスを把握しなければなりません。大企業では数千人以上、中小企業でもわずかな人事部社員で数百人のデータを管理するのは大変な作業です。そのため、こうした多くの多様なデータを一元管理するシステムの導入を検討されることが多いです。こうしたタレントマネジメントをサポートするシステムをタレントマネジメントシステム(タレマネシステム)といいます。

「タレントマネジメントシステム」とは

タレマネシステムの機能

タレマネシステムとは、自社の社員のスキルなどのデータを一元管理し、見える化し、戦略的な人材配置などを可能にするシステムのことです。人事管理システムと呼ばれることもあります。タレマネシステムには、多様な機能があり、評価・目標管理、能力管理、情報管理、モチベーション管理、アンケート調査、人材管理を行うものなどがあります。

製品例

タレマネシステムは日本国内でも50サービスを超えており、実に多くのバリエーションがあります。BizHintやHR NOTEにまとめられているので、参考にしてみてください。CMなどでもみかけるカオナビや、パーソルのHITO-Talent、ワトソンのアナリティクスを活用したIBM製品(Kanexa)、大手システムベンダーのオラクルの製品(Oracle HCM Cloud)などがあります。

タレマネシステム導入のポイント

やみくもに便利なシステムを導入したからと言って、成功するわけではありません。そもそもタレマネシステムの導入によってどんなことを達成したいのかを明確にしたり、めざすToBe像をまずは検討しなければなりません。また、タレマネシステムに登録する要件を設定しなければならないため、自社経営戦略と一貫した人材要件を確認・再定義する必要があります。システムだけが最新になっても、それを活用する人事部が旧態依然とした状態では意味がありません。経営層との連携強化や、採用や配置といった人材マネジメントのプロセスの見直しが必要となります。人事部がどんな役割を果たすべきかを再確認した上で、システム導入を進めていかなければ、変革を遂げることは難しくなってしまいます。

まとめ

今回は、タレントマネジメントの定義からはじまり、そのサポートをするタレマネシステムまで扱いました。タレントマネジメントの守備範囲の広さ、システム導入の際には目的や人材要件の見直しといった自社の人事部やその仕事のあり方を再確認・再検討する必要があります。テクノロジーをうまく活用できるか否かはそれを使う人次第ですので、手段と目的を混同せずに、ひとつひとつToDoをやり遂げていく必要があります。

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