会社と社員の関係が変わる?!注目度高まる「エンゲージメント」その背景と改善のための施策を紹介!

   

経営課題の変遷と「エンゲージメント」の重要性の高まり

日本能率協会が実施している「当面の企業経営課題に関する調査」という調査があります。この調査は企業が抱える経営課題を明らかにし、これからの経営指針となるテーマや施策の方向性を明確にすることを目的に、1979年から企業経営者を対象に毎年行っている調査であり、2017年で第38回目となりました。2017年調査の結果によれば、2016年から2017年にかけて大きく「エンゲージメントの向上」が上位にランクアップしたという特徴があります。今、注目度が増しているこのエンゲージメントとはいったい何なのでしょうか。

エンゲージメントとは何か

「エンゲージメント」とは一体何を意味しているのか、その定義から確認していきたいと思います。日本の人事部という人事情報サイトでは、次のように説明されています。

社員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」を表すものと解釈されますが、より踏み込んだ考え方としては、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」のことをいいます。

また、似て非なる概念に「従業員満足度」があります。これは社員の単なる満足度のことです。
全く働いていない社員が、会社の福利厚生を満喫し、良い給与を得ていたとしたら、従業員は楽していい思いができているので、満足度は高くなります。しかし、こうした状況は会社からすれば、単にコストがかさんでいるだけの状態であり、望ましい状況ではありません。ブラック企業のように、会社に都合のいいように従業員がこき使われている状態ではエンゲージメントが醸成されている状態とは言えず、会社に何の貢献もしていない社員がいい思いをできてしまうような状況もエンゲージメントの観点からは望ましい状態とは言えないわけです。
社員と会社をWin-Winの状態へと変えていこうというコンセプトが、エンゲージメントの背景にはあるわけです。

エンゲージメントを向上させるメリットとは

エンゲージメントを向上させるとどんないいことがあるのでしょうか。

退職リスクの低減

会社にとっては、手塩にかけた社員や大きな利益をもたらしてくれる優秀な社員が退職してしまうことはとても大きな損失といえます。
こうした従業員の退職リスクを如何に低減していくかは、企業にとっては大きな課題であり、長期的な成長のためには欠かせない話題です。エンゲージメントが高まれば、会社に対する従業員の愛着が高まるわけですので、社員が他社へと流出するリスクも低減するはずです。
会社に大きな貢献をする、優秀な従業員をつなぎとめておき、外部への流出を抑えることにつながります。エンゲージメントが高い社員の方が、低い社員よりも退職リスクが低いという調査結果もあり、エンゲージメントが低い社員が12か月以内に退職する確率が9.2%であるのに対し、高い社員の場合は1.2%まで低下するとの結果が、アメリカの経営・人事管理コンサルティング会社、CEB社(Corporate Executive Board)の「Driving Performance and Retention Through Employee Engagement」というレポートで分かっています。
http://cwfl.usc.edu/assets/pdf/Employee%20engagement.pdf

パフォーマンスの向上

エンゲージメントが高まっている状態ですと、従業員はやる気に満ちた状態にありますので、自発的にいろいろな改善をしたり、積極的に働いてくれるようになります。そうすれば従業員一人一人の成果は大きなものになり、会社全体としての利益も向上していくはずです。
エンゲージメントが高い従業員と低い従業員のグループ間で、ミスの多さが100倍以上変わったとの調査結果もあり、エンゲージメントが会社のパフォーマンスに与える影響は非常に大きいといえます。
http://wwwbiz.meijo-u.ac.jp/SEBM/ronso/no13_4/19_HASHIBA.pdf

エンゲージメントを高めるには

エンゲージメントを高める重要性は十分わかったわけですが、それではどのような施策をしていけばいいのでしょうか。
会社としてできることは、従業員一人一人を知り、うまく配置し、評価されるべき人が評価される仕組みを作り上げていくことと言えます。

ワークライフバランスの推進

一生懸命働けば当然つかれてしまいますし、健康的な私生活が確立されていなければ、仕事でも思うような働きはできません。ストレスを発散するような、趣味に打ち込む時間も人間には必要です。こうした、リフレッシュや休息の時間を社員に与えるためにも、私生活の時間をしっかりと与えてあげることが大切です。

適切な人事評価制度の構築

自分の努力が実り、成果が残した時には評価してほしいものです。この成果が評価されないと、社員は当然不満を感じ、会社への不信感もましてしまいます。成果を残したら、それを評価し、昇進や昇給を認める適切な人事制度を構築していくことが不可欠と言えます。

社内コミュニケーションの活発化

自分と全く同じ考え方をする人間なんて、まずいません。これは職場でもそうであり、自分と違う価値観を持つ人とうまく連携して仕事をすすめていかなければなりません。そのためには従業員同士がコミュニケーションを取れる場や時間を設けてあげる必要があります。
社員食堂やカフェテリアのようなソフトなコミュニケーションの場を準備してあげることも肝要です。

タレントマネジメントの活用

人それぞれ興味関心や、得手不得手はことなります。こうした個人の長所短所や好き嫌いを把握し、一人一人にあった人材配置や育成を進めていき、能力を存分に発揮させて成果を最大化させる「タレントマネジメント」が求められます。

企業文化や社風に適した人材の採用

いくら従業員のことをよく知り、制度や設備を整えても、そもそも会社全体の価値観と逆の価値観を持った従業員では、なじむはずもありません。採用の段階で、企業の社風に合った人材を見抜いて採用していくことも必要と言えます。

まとめ

今回は、注目が増している「エンゲージメント」についてその意味するところと、高めるためのアプローチについてご紹介しました。長時間労働やブラック企業が問題視され、価値観の多様化が進む今日では、エンゲージメントは企業を運営していく上で外せない問題といえます。エンゲージメントをきっかけに、新しい企業と従業員の在り方を再発見していくことが求められているのだと思います。

参考文献

 www.jma.or.jp 
https://www.jma.or.jp/pdf/2017/20171018_newsrelease.pdf
https://www.jma.or.jp/pdf/2017/20171018_newsrelease.pdf

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