【書評】グローバル時代を企業が生き抜くには「アウトサイド・イン」な人材戦略が不可欠

      2017/11/26

世界規模でのサーベイを基に現代の人事コンピテンシーを抽出

最近、人事関連の本を読む機会がありましたので、その内容を共有したいと思います。

今日、ビジネス環境は移ろいやすく、ビジネスのライフサイクルもますます短くなっています。

また、グローバル化がますます進み、多様な文化の人々と協業していかなければなりません。

こうした状況に対して企業は対応していかなければなりません。

また、ミレニアル世代に代表される価値観の多様化、働き方改革などの社会的な要請、AIなどの最新技術の進歩に伴う人間の働く範囲の見直し、といったトレンドもニュース等で頻繁に目にします。

本書は、世界中2万人以上に対して実施した調査(人事コンピテンシー調査)の結果を基に、現代の人事にはどんなコンピテンシー(成果を出すために必要な行動特性)が求められているのかが特定されています。

(2014年実施の調査のため、やや古いですが。)

また、関連する各地域のベストプラクティスなども紹介されており、人材戦略を立案していく上で示唆に飛んだ書籍と言えます。

各地域の現状とトレンドを整理

世界的に実施した調査結果とともに、各地域のマクロ環境・トレンドについてもまとめられています。

政治、経済、社会、技術、環境、人口動態などの観点から、各地域のビジネス環境が分析されており、各地域特有の課題や機会がわかるようになっています。

各地域において、顕著な業績を上げている企業(ベストプラクティス)が紹介されており、成功要因がどこにあるのかが考察されています。

残念ながら、日本についての調査・分析はありませんが・・・。

アウトサイド・インな人材戦略とその実行が重要

著者らは、従来の人事部門だけの閉じた動き方では現代の人事部にもとめられている役割を果たしていないと指摘しています。

ビジネス戦略に基づいた、人材戦略の必要性を強調しています。

政治、経済、社会、技術、環境、人口動態などのトレンドを理解し、利害関係者(顧客、投資家、行政、地域社会)と関連性を持ち、ビジネス戦略に寄与していく人事の在り方が求められています。

こうしたアウトサイド・イン(外のものを中にとりいれること)な人材戦略を立案・実行していく必要があります。

まとめ

本書を読んでみて、人事部門の在り方を見直す必要性がよくわかりました。

しかし、人事業務自体の理解がないと、実際にこの本で学んだ知見を生かせないかと思います。

現場の人事業務は、オペレーショナルな仕事が大量(契約のチェック、書類対応など)にあり、ビジネス戦略どころではないとの声もあるようです。

AIなどの最新技術を活用することで、こうした作業の負担が改善され、人事に本当に必要とされている役割を果たせるようになることが期待されます。

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