【書評】クリステンセン教授の「イノベーション・オブ・ライフ」は経営戦略を人生の生き方に応用したスゴ本

      2017/11/26

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)」で有名なクリステンセン教授の著書の一つ、「イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ」を拝読しましたのでその感想をシェアしたいと思います。
クリステンセン教授はコンサルタント、経営者、教授と多様なキャリアを積んできた方で、マッキンゼー賞を始め、多くの賞を受賞しており、その功績は素晴らしいです。
また、プライベートでは、良き夫、父として、良き家庭、良き生き方を模索してきた、人間性豊かな方と言えます。
本書はいわゆる「イノベーションのジレンマ」にような経営戦略の本ではなく、それらの理論を人生の生き方(キャリア・プライベート)に応用し、洞察を見出したスゴ本です。

 

すごいと思ったポイント

本書は「何を考えるべきか」(意見)ではなく、「何が、何を、どうして引き起こすのか」(理論)を教えてくれます。
自己啓発本によくある、とりあえずこれをしておけば大丈夫んだよ、といった分かりやすい答えが示させれているわけではありません。
クリステンセン教授の答えが書かれた本ではないということです。
その代わりに、自分で答えを導き出すための考え方を教えてくれます。
経営戦略の基礎的な理論を基に、人生にも適用可能な洞察を導き出し、その適用例を丁寧に紹介してくれています。
また、有名な経営戦略・思想の概要と、企業の事例も本書には散りばめられており、経営戦略の知識がそれほどない読者にも配慮されています。
すでに経営に詳しい読者にとっても、復習になりますし、新たな切り口を与えてくれる本と言えます。
この本は、単なる抽象論で終わっている本ではなく、著者の実践例や体験といった具体的なエピソードが豊富に盛り込まれています。
それらのエピソードからは、実生活で直面する家族との問題が多く取り上げられており、共感させられるものばかりです。
また、これらの話からクリステンセン教授の温かな人間性が垣間見え、そうした点でも人間味あふれる良書と言えます。

 

とりあげられている経営理論と人生設計への応用例

本書に出てくる経営の理論や人生を歩むヒントをいくつか挙げておきます。

学生が混同しがちな、インセンティブとモチベーションの違いはお気に入りのエピソードです。

人を思い通りにしたいなら報酬(インセンティブ)さえ与えておけば良いんだと思っていた時期が自分にもありました。

ですが、報酬は衛生要因とよばれる、「不満のない状態(安心、安定など)」を作り出すものです。

そのため、人間の本心からの行動をさせることができず、「満足している」状態には至らないため長期的にはうまくいきません。

ゆえに、企業が従業員にしてほしい行動をしてもらうためには報酬のようなインセンティブだけでなく、本人が本当にしたいこと、好きなこと、と向き合い、その実現のためにケアをしていく必要があるのです。

  • インセンティブとモチベーションの違い
  • 犠牲を払うことで献身が強くなる
  • 目的は意図的に、その方法は創発的に
  • 必要になる前に経験を通じて、事前にスキルやマインドを修得する
  • 人生の目的を意味有るものにするのに必要なものは「自画像」・「献身」・「尺度」

 

まとめ

本書は、クリステンセン教授の信仰されている宗教に強く影響を受けているとも考えられますが、示されている洞察は非常に深く、自分にも適用可能なものばかりでした。

この本から、自分の人生を見つめ直すヒントを得られることは間違いないと思います。

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